AI に任されている仕事トップ 15 ── 手持ちの PC かスマートフォンで、無料から始められる

上原正吉(EarthLink Network Co., Ltd.)。Claude Codeを開発の主体に据え、20を超えるプロダクトを1人で同時に開発・運用しています。これは、その現場の実測記です。

AI に任されている仕事トップ 15 ── 手持ちの PC かスマートフォンで、無料から始められる

AI に任されている仕事トップ 15 ── 手持ちの PC かスマートフォンで、無料から始められる

この記事は、連載「AI社員と回す小さな会社 ── 費用を抑えて、頼むところから任せるところまで」の第 4 回です。連載の最後に、私が使っている Paperclip の設定・指示書・おすすめの形を無料で配布する予定です。

連載の目次

  1. ChatGPT の dots に Gmail・カレンダー・Slack・Notion をつないで確かめた
  2. 「AI 会社」の実態を分類した
  3. どの AI ツールで何ができるか
  4. AI に任されている仕事トップ 15(この記事)
  5. AI の契約はどれをいくつ(予定)
  6. ChatGPT に毎朝のニュースと SNS の投稿づくりを任せる(予定)
  7. Claude に朝のまとめと記帳の下書きを任せる(予定)
  8. Gemini にメールの返事の下書きと議事録を任せる(予定)
  9. Claude Code を、開発者でなくても(予定)
  10. 調べ物は必要な人だけ足す(Perplexity と Grok)(予定)
  11. 変わった時だけ知らせる見張りと、チャットから自分の PC に頼む(OpenClaw)(予定)
  12. お客さんへの返事を、AI が下書きし人が承認して送る(予定)
  13. AI 社員の仕組みを通すと 1 件いくらか、どう下げるか(予定)
  14. 規約が変わっても止まらないように、月額のプランから使った分だけ払う契約へ(予定)
  15. 人が何人かいる会社での置き方(予定)
  16. AI 社員が働く小さな会社の組織図(予定)

「自分の仕事を AI に任せたいが、何を契約して、何を買えばいいのか分からない」。前回の記事(連載の第 3 回・どの AI ツールで何ができるか)の冒頭で、こう考えている方に向けた記事を書くと約束しました。この記事がそれです。

AI に仕事を任せるなら、まず機械をそろえ、有料の契約を結ぶところから、と考える方が多いようです。24 時間動かすための機械を買い、有料のプランに入る、という順番です。任せる仕事も、まずはメールから、と考えがちです。前回の記事で私が挙げた仕事も、メール、記帳、Instagram、LINE でした。

調査してみると、そうはなっていませんでした。英語と日本語の公開の投稿 1,950 本から、AI に任されている仕事を取り出し、ソフトウェア開発を除いた 3,204 件を数えました。1 位はブログ記事の執筆(227 件)、2 位は SNS の投稿文の下書き(166 件)です。メールは、いちばん多い「仕分けと優先順位」でも 23 位(41 件)でした。メールの仕事を全部合わせても 126 件で、1 位のブログ記事の半分ほどです。

始める前に、機械や契約にお金をかける必要もありません。AI はクラウドで動くので、手持ちの PC かスマートフォンのどちらか 1 つがあれば始められます。この記事で取り上げる 10 の仕事は、どれも無料版の AI に頼めば、AI の費用は 0 円です。

この記事では、AI の使い方を 2 つに分けて書きます。

  • AI に頼む。 人がその都度頼み、文章を書く・まとめる・調べるといった作業そのものは AI がやります。無料版でできます。
  • 無人で回す。 人が頼まなくても、決まった時刻や、メールが届いたことをきっかけに AI が動き、人は結果を見るか、承認するだけにします。ここからは、多くの場合、有料のプランが要ります。

AI に頼むだけでも、作業そのものは AI がしています。お金がかかり始めるのは、無人で回したくなった時と、頼む量が無料版の上限を超えた時です。

無料版にも、使える量の上限があります(2026 年 10 月 19 日に各社のヘルプで確認)。Claude の無料版には 5 時間ごとに戻る上限があり(Anthropic)、Gemini の無料版にも 5 時間ごとと週ごとの上限があります(Google)。どちらも、何回までという数は出していません。上限に当たったら、戻るまで待つか、有料のプランに上げます。ChatGPT の無料版は、ふつうの文章のやり取りには上限が無く、画像を作る、ファイルを読ませる、詳しく調べる(Deep Research)といった機能ごとに上限があります(OpenAI)。ふだん文章で頼むだけなら、ChatGPT の無料版で上限に当たることが少ないのは、このためです。頼む仕事の量が多い時や、画像やファイルをたくさん扱う時は、無料版では足りないことがあります。

もう 1 つ大事な違いは、使える AI のモデル(返答を考える AI そのもの)です。3 社とも、いちばん賢いモデルは有料のプランでしか使えません(2026 年 10 月 19 日に確認)。

  • ChatGPT: 無料版と Go が使うのは、いちばん速くて安い軽いモデルです。より賢いモデルは Plus 以上です(OpenAI)。
  • Claude: 無料版で使えるのは Sonnet と Haiku で、より賢い Opus は Pro 以上です(Anthropic)。
  • Gemini: 無料版では、多くの質問に速さを重視した軽いモデルが答えます。上位のモデルを自分で選べるのは、有料のプランです(Google)。

無料版でも、ふだんの文章を書く・まとめる・調べるには十分なことが多いです。ただ、より賢い返答や、より自然な文章など、AI の性能をいちばん引き出したい時は、有料のプランを使う必要があります。その場合は、ChatGPT Plus(月 3,000 円)、Google AI Pro(月 2,900 円)、Claude Pro(月 $20)のどれか 1 つです。ChatGPT Go(月 1,400 円)は、無料版と同じ軽いモデルです。使える量を増やしたい時や、無人で回したい時なら、Go を含めて有料のプランを 1 つ(月 1,400〜3,000 円ほど)足せば、多くの仕事がまかなえます。

この記事は、製品からではなく、仕事から話を始めます。何に任されているか、何が要るか、どう始めて、いつお金がかかるか、の順です。

結論

  • AI にいちばん任されているのは、ブログ記事の執筆と SNS の投稿文の下書きです。 3 位が朝のブリーフィング(その日の予定と、やることの優先順位を AI にまとめさせる)、4 位がニュースの定期収集でした。メールの仕事は全部合わせても、1 位の半分ほどです。
  • 始める前に、機械や契約にお金をかける必要はありません。 AI はクラウドで動くので、手持ちの PC(2018 年ごろ以降の Mac か Windows 11、メモリ 8GB が目安)かスマートフォンの、どちらか 1 つで始められます。
  • AI に頼むだけなら、AI の費用は 0 円です。 10 の仕事はどれも、無料版の AI に頼めば 0 円です(記帳の会計ソフトのように、AI ではないソフトの費用は別にかかります)。
  • 無料と有料の違いは、使える量、使えるモデル、無人で回す機能です。 無料版にも使える量の上限があるので、頼む仕事の量が多いと、無料版では足りないことがあります。いちばん賢いモデルは有料のプランでしか使えないので、より賢い返答や、より自然な文章が欲しい時は有料のプランが要ります。決まった時刻や、メールが届いた時に AI を動かす機能は、多くが有料のプランに入っています。
  • 無人で回すなら、有料のプランを 1 つ足します。 ChatGPT Go(月 1,400 円)、Google AI Pro(月 2,900 円)、ChatGPT Plus(月 3,000 円)、Claude Pro(月 $20)のどれか 1 つで、無人で回したい仕事の多くがまかなえます。どれを選ぶかは仕事によるので、仕事ごとに下の表に書きました。
  • AI 社員の仕組み(AI の担当ごとに役割を決め、人が承認してから実行させるソフト。例: Paperclip)を通すと、費用は増えます。 ソフトは無料でも、中で動く AI の分は有料のプランで払います。仕組みを通すと有料のプランの上限を早く使い切るので、上のプランか、使った分だけ払う契約に移ることになるからです。その理由と下げ方は、連載の第 13 回(1 件いくらか、どう下げるか)で書きます。

本文(読了 約 15 分・本編は約 12 分)

前提と注意

  • 読者。 個人事業主や小さな会社の方で、エンジニアではない方を考えています。専門の言葉は、初めて出てくるところで説明します。
  • 日付。 内容は 2026 年 10 月 19 日時点です。値段は 10 月 16〜17 日に、日本から確認しました。価格はよく変わるので、日付を付けています。
  • 値段の書き方。 この日本語版は日本の読者向けなので、円の値段がある場合は円で書きます。Claude のように円の値段が無いものは、米国のドルの価格(税別)で書きます。日本から申し込むと、Claude Pro は消費税込みで月 $22 です(料金、2026 年 10 月 17 日に確認)。ChatGPT と Google の円の値段は、料金ページに税込か税別かが書かれていないので、表示のままの値段です。
  • 数えたデータ。 AI に任せているという話は、書き手の自己申告です。仕事の振り分けは AI に 1 件ずつさせ、別の AI に見直させました。詳しい限界は、記事の最後の「断定しないでおく点」に書いています。

AI に任されている仕事トップ 15

連載の第 2 回(「AI 会社」の実態を分類した)で集めた日本語の投稿に、今回、英語の投稿(Reddit、Hacker News、Dev.to、Medium)を足しました。そのうえで、書き手が AI に任せていると書いている仕事を 1 つずつ取り出しました。1 本の投稿に出てくる仕事 1 つを、1 件と数えています。英語の投稿で、同じ人が同じ文章を別のコミュニティに出したものは、1 本だけ残しました。

集まったのは、投稿 1,950 本、仕事 4,170 件です。取得元は、note 589 本、Reddit 504 本、Threads 242 本、Facebook 195 本、Dev.to 173 本、Hacker News 109 本、ほか(Zenn・Qiita・Medium など)138 本です。このうち 966 件はソフトウェア開発の仕事だったので、この連載の対象から外し、残りの 3,204 件で順位を付けました。

「主なきっかけ」は、その仕事がいちばん多く始まった形です。「人が頼む」は人がその都度頼むこと、「決まった時刻」は、たとえば毎朝 7 時のように決まった時刻に動くことです。表の SNS は、Instagram や X などの交流サービスのことです。

AI に任されている仕事の上位 15 件を、英語と日本語の公開投稿での件数で並べた横棒グラフ。1 位はブログ記事の執筆で 227 件、次に SNS 投稿文の下書き 166 件、朝のブリーフィング 136 件、ニュースの定期収集と要約 116 件、タスクの整理・振り分け 94 件と続き、15 位の家族・家事・生活の段取りは 55 件。15 件のうち 3 件は決まった時刻に動き、残りの 12 件は人が頼んで始まる。 AI に任されている仕事、件数の多い順に 15 件(英語と日本語の投稿を合わせて数えたもの。ソフトウェア開発は除く)。

順位仕事件数主なきっかけ
1ブログ記事の執筆227人が頼む
2SNS 投稿文の下書き166人が頼む
3朝のブリーフィング(今日の予定と優先順位)136決まった時刻
4ニュースの定期収集と要約116決まった時刻
5タスクの整理・振り分け94人が頼む
6画像・イラスト・デザインの生成84人が頼む
7翻訳・文章の校正・書き直し77人が頼む
8SNS の自動投稿76決まった時刻
9メモ・知識の整理と蓄積74人が頼む
10会議の議事録・要約64人が頼む
11記事・原稿の執筆(ブログ以外)64人が頼む
12競合・市場・企業の調査64人が頼む
13SNS の数字(いいねの数・投稿を見た人の数)の記録と、その意味の分析62人が頼む
14指定したテーマの深掘り調査61人が頼む
15家族・家事・生活の段取り55人が頼む

10 位から 12 位は同じ 64 件です。メールの仕事は、仕分けと優先順位が 23 位(41 件)、作成・送信が 30 位(36 件)、返信の下書きが 32 位(35 件)でした。

1 つ、読み方の注意があります。日本語の投稿は「AI 社員」「AI 秘書」の話から集めていて、note のものが多く、AI に note の記事を書かせている話がよく出てきます。ブログ記事が 1 位になったのには、この偏りも効いています。英語の投稿だけで数えると、1 位は画像・デザインの生成(48 件)、2 位は記事・原稿の執筆(41 件)、3 位は翻訳・校正(40 件)で、ブログ記事は 4 位(34 件)でした。それでも、英語だけで数えたメールのいちばん上は「作成・送信」の 15 位(20 件)で、1 位の画像の生成(48 件)の半分以下です。

数え方を変えても、上位は大きくは動きませんでした。同じ人の投稿を何本あっても 1 件と数えても、本人が任せていると言えないとして外した分(補足 C)を戻しても、上位 4 つの顔ぶれは同じです(3 位と 4 位の順番は入れ替わることがあります)。

次の表は、すべての仕事を領域ごとにまとめたものです。自分の仕事がトップ 15 に無くても、ここで探せます。

領域件数主な仕事(件数)
SNS・ブログ・広報621ブログ記事の執筆 227/投稿文の下書き 166/自動投稿 76/数字の記録と分析 62/ネタ探し 54
情報収集・リサーチ383ニュースの定期収集 116/競合・市場の調査 64/深掘り調査 61/普段の調べもの・質問 40
文書・資料・メモの整理374翻訳・校正 77/メモの整理 74/記事・原稿の執筆 64/提案書・スライド 49
予定・タスク管理(秘書の仕事)326朝のブリーフィング 136/タスクの整理 94/リマインド 44/日程調整 22
個人の生活・家計・投資・学習238家事・生活の段取り 55/健康・睡眠・運動 39/学習の支援 37/投資 23
マーケティング・分析・経営判断206経営の相談相手 50/売上や主な数字の分析 42/SEO(検索で見つけてもらうための工夫) 36
社内の連絡・議事録164議事録 64/進捗報告・日報 40/AI の担当への指示の取り次ぎ 20
画像・動画153画像の生成 84/動画の編集と生成 43/台本・絵コンテ 21
IT の運用・監視・AI 自身の管理137AI 社員そのものの管理と改善 49/サーバーの監視 29
営業135見込み客リスト 38/営業メール 30/提案書・見積 27
会計・経理・総務・法務127領収書・経費の記帳 37/売上・損益の集計 35/請求書と未入金の確認 24
メール126仕分けと優先順位 41/作成・送信 36/返信の下書き 35/要約 10
お客さんの対応・問い合わせ66自動応答 21/返信の下書き 15/顧客情報の整理 13
ネットショップ・小売・製造45受注・在庫・納期 19/商品ページ 14
採用・人事40労務・給与 14/応募書類・面接のメモ 12

開発以外の 3,204 件をきっかけで分けると、半分以上(1,752 件)は、人がその都度頼んで始まる仕事でした。次が、決まった時刻に始まる仕事(856 件)です。ほかは、メールやファイルが届いて始まる仕事が 224 件、24 時間動かしている AI 社員に話しかけて始まる仕事が 159 件、きっかけが分からないものが 213 件でした。

必要なものは、手持ちの PC かスマートフォンのどちらか

ChatGPT、Claude、Gemini の AI は、それぞれの会社のクラウドで動きます。手元の PC がするのは、画面を出すことと、AI が指示した操作(ファイルを読む・書く、ブラウザを動かす)を実行することです。重い計算をするのは、手元の PC ではありません。

各社が公式に書いている条件は、多くが数年前の PC で満たせます。

  • Claude Code(Claude に PC の上で作業させるアプリ): macOS 13 以上か Windows 10 以上、メモリ 4GB 以上
  • Claude のデスクトップアプリ: macOS 13 以上か Windows 10 以上
  • ChatGPT の Mac アプリ: macOS 14 以上(Apple の M1 以降のチップでも、それより前の Intel のチップでも動く)
  • Gemini: Mac のアプリだけは M1 以降のチップと macOS 15 が要る。ブラウザ版なら条件なし

ここから作った目安は、2018 年ごろ以降の Mac か Windows 11 の PC、メモリ 8GB です。これは各社の数字をまとめた私の目安で、どこかの会社が出している数字ではありません。Windows 10 でもこれらのアプリは動きますが、Microsoft のサポートが 2025 年 10 月 14 日に終わっているので、仕事のデータを扱う PC としては勧めません。

AI に頼むだけなら、PC かスマートフォンのどちらか 1 つで足ります。PC が要る範囲と、スマートフォンだけで足りる範囲を分けると、次の図のようになります。

クラウド・スマートフォン・手持ちの PC の 3 つを横に並べ、それぞれで何が動くかを書いた図。クラウドでは AI のモデルが考え(無料)、有料のプランの予約の機能で無人で回すと、PC を閉じていても動く。スマートフォンでは、その都度頼む(貼って要約・調べもの・SNS の下書き)ことが無料のプランでもでき、AI 社員の仕組みの確認と承認もできる。手持ちの PC では、ファイルを添付して読ませる(無料)、手元のフォルダを AI に整理させる(Claude Code など・有料)、手元のファイルやアプリを使う予約(PC が起きている間・有料)、AI 社員の仕組みを置いて無人で回す(電源を入れたまま、または借りたサーバー)。PC の目安は 2018 年ごろ以降の Mac か Windows 11、メモリ 8GB。 どこで何が動くか。考える計算はクラウドで行われ、スマートフォンや手持ちの PC は、頼む・確かめる・手元のファイルを渡す側です。

スマートフォンだけで足りるのは、その都度頼む使い方と、AI 社員の仕組みの確認や承認です。PC が要るのは、手元のファイルやフォルダを AI に扱わせる時と、AI 社員の仕組みそのものを置く時です。

無人で回す時は、2 つに分かれます。有料のプランの予約の機能(決まった時刻に動くタスクなど)は各社のクラウドで動くので、PC を閉じていても動きます。一方、AI 社員の仕組みで無人で回すなら、仕組みを置いた PC(または借りたサーバー)を、電源を入れたままにしておく必要があります。ただし、Claude Code の予約のように手元のファイルを使うものは PC の上で動くので、PC が起きている間しか動きません。どの場合も、スマートフォンは結果を見て承認するためのもので、無くても構いません。

まずは手持ちの PC かスマートフォンで試してください。買い足しを考えるのは、遅いと感じた時か、PC を閉じている間も AI 社員の仕組みを動かし続けたくなった時です。よく話題に出る Mac mini のような機械は、その時に初めて候補になります。その計算は、記事の最後の補足(B)に置きました。

10 の仕事と始め方

この連載で掘り下げる 10 の仕事です。トップ 15 の上のほうから選び、前回の記事で約束した仕事(メール、記帳、Instagram、LINE の返信)を足しました。上位のうち、タスクの整理、翻訳・校正、メモの整理は、無料版の AI に頼むだけで済むことが多いので、ここでは 1 つの仕事として立てていません。画像の生成は、SNS の投稿の回で一緒に扱います。

「無料版の AI に頼む」は、AI の費用が 0 円の始め方です。「有料のプランを 1 つ足すと」は、2026 年 10 月 16〜17 日に私が見つけたいちばん安い有料のプランで、何を無人で回せるようになるかです。その都度頼む仕事は、無人で回す必要があまりないので、何が楽になるか(頼める量が増えるなど)を書きました。いちばん右の列は、実際のアカウントで設定して見せる回です(第 5 回から第 16 回は近日公開です)。

仕事(順位)無料版の AI に頼む(AI は 0 円)有料のプランを 1 つ足すと(月額)詳しく書く回
ブログ記事・文章を書く(1 位)Claude か ChatGPT の無料版のプロジェクト(指示と資料を入れておく場所。Claude の無料版は 5 個まで)に、文体のメモと過去の記事 3〜5 本を入れておき、下書きを頼む無人で回す必要は少ない。たくさん頼むなら、使える回数が増える Claude Pro $20 か ChatGPT Plus 3,000 円第 9 回
SNS の投稿(2 位・8 位)文と画像を作らせ、自分で確かめてから Meta Business Suite(無料)で予約する。決めた時刻に投稿される毎朝、下書きが届く: 無料版でも 1 日 1 回・おおまかな時間帯なら作れる(第 6 回で試す)。時刻を決めるなら ChatGPT Go 1,400 円から(予約に入れるのは自分)第 6 回
朝のブリーフィング(3 位)毎朝、予定とメールを AI に見せて、今日の優先順位を頼む毎朝、決まった時刻に届く: Claude Pro $20(PC を閉じていても届く)第 7 回
ニュースの収集と要約(4 位)毎朝、「〇〇のニュースを出典つきで」と頼む毎朝届く: 無料版でも 1 日 1 回・おおまかな時間帯なら作れる(第 6 回で試す)。時刻を決めるなら ChatGPT Go 1,400 円から第 6 回
議事録(10 位)会議アプリが要約や文字起こしを出すならそれを使う。出ないなら文字起こしを無料版に貼って整えさせるMeet で会議をするなら、頼まなくても AI がメモを取る: Google AI Pro 2,900 円第 8 回
Instagram の数字(13 位)数字の画面を月に 1 回スクリーンショットで撮り、貼って読ませる撮った画面を読んで表に足していく: Claude Pro $20(PC が起きている間に動く)第 9 回
深掘り調査(14 位)Gemini の Deep Research は無料。ChatGPT の無料版にも回数の限られた版がある無人で回す必要は少ない。調べものが仕事の中心なら第 10 回第 10 回
メール(23 位)Claude の無料版に Gmail をつなぎ、要約と返信の下書きを頼む。送るのは自分決めた条件のメールが届いたら、Gemini が返信の文を作る: Google AI Pro 2,900 円(Gemini のアクティビティをオンにしておく必要がある。文が Gmail の下書きに入るかは第 8 回で確かめる)第 8 回
記帳(28 位)領収書の写真を無料版に貼るか、Claude の無料版に会計ソフトの公式の接続を 1 つつないで、仕訳の下書きを頼む。会計ソフトへの登録と確認は自分(会計ソフトの費用は別)無人で回す必要は少ない。頼む回数が多いなら Claude Pro $20第 7 回
お客さんの窓口(LINE)届いたメッセージを無料版に貼り、返信の下書きを頼む。送るのは自分届いたら AI が下書きし、自分が承認して送る: AI 社員の仕組み(無料)と有料のプラン 1 つ、電源を入れたままの PC(または借りたサーバー)第 12 回(費用は第 13 回)

表の言葉を補足します。

  • 製品と機能の名前。 Meta Business Suite は、Instagram と Facebook の投稿を予約できる Meta の無料の管理画面です。Deep Research は、AI が多くのページを読んで調べた結果をまとめる機能です。ChatGPT Go は、Plus より安い有料のプランです。
  • メール。 0 円でいちばん簡単なのは、Claude の無料版に Gmail をつなぐ方法です。Google のコネクタ(ほかのアプリとつなぐ機能)は全プランで使え、送信・返信・転送の前には、既定で毎回確認が出ます。Gmail の中で下書きを書かせる「Help me write」は、無料なのは米国の個人のアカウントだけで、日本では Google AI Plus 以上か Google Workspace が要ります。スレッドの要約は、日本語でも無料で使えます。送信のボタンは自分で押します。 理由は連載の第 1 回(ChatGPT の dots に Gmail などをつないで確かめた)に書きました。
  • Claude の 2 種類の予約。 Claude のアプリの予約タスクはクラウドで動くので、PC がスリープしていても、Claude のアプリを閉じていても届きます。Claude Code の予約は PC の上で動くので、PC が起きている間しか動きません。Instagram の数字のように手元のファイルを読む仕事は、こちらになります。
  • ChatGPT の定期タスク。 OpenAI のヘルプ(2026 年 10 月 18 日更新)では、無料版でも、1 日 1 回まで、朝・昼・夜のようなおおまかな時間帯に動くタスクを 3 つまで作れます。時刻を決めて動かすことと、1 時間ごとに動かすことには、有料のプランが要ります。ニュースの収集のように、届く時刻が少しずれても困らない仕事なら、無料版でも無人で回せるかもしれません。連載の第 6 回で、実際のアカウントで確かめます。
  • 記帳。 この仕事でかかるのは、AI ではなく主に会計ソフトの費用です。安いプランは次のとおりです(どちらも年払い。マネーフォワードは消費税の申告に使えません)。マネーフォワードは、Claude などの AI から仕訳を作ったり直したりできる公式の接続を、追加料金なしで出しています(公式のページ。対象外のプランがあり、どれかは書かれていません)。AI が作った仕訳は、必ず自分で確かめてください。
会計ソフト月額(税別)税込撮影の上限
freee のスターター980 円1,078 円領収書 月 5 枚
マネーフォワード クラウド確定申告 パーソナルミニ900 円990 円レシート 月 15 件
  • お客さんの窓口。 LINE 公式アカウント(お店や会社のための公式の窓口)の無料のプランにも、決めた言葉に決めた返事を返す自動応答があります(AI ではありません)。AI が下書きし、自分が承認して送る形の作り方は、連載の第 12 回(お客さんへの返事を、AI が下書きし人が承認して送る)で書きます。

無料版に頼むところから無人で回すまで、5 つの段階

段階を 1 つ上がるごとに、費用が少し増え、人がやらなくてよい作業が少し増えます。連載の第 5 回で何を契約するかを示し、第 6 回から第 12 回で、AI のサービスやソフトを 1 つずつ取り上げます。

段階できること月額詳しく書く回
0. 無料版の AI に頼む人が頼み、作業そのものは AI がやる。結果を使う・送るのは自分0 円この記事、第 10 回
1. 有料のプランで、決まった時刻に動かす(多くはここから無人で回す)決まった時刻に動くタスク(ChatGPT は時刻を決めるなら有料。無料版は 1 日 1 回・おおまかな時間帯まで)。メールが届いた時に動くタスク(ChatGPT Plus と Google AI Pro)。使える量も増える1,400〜3,000 円ほど: ChatGPT Go 1,400 円、Google AI Pro 2,900 円、ChatGPT Plus 3,000 円、Claude Pro $20第 6〜9 回、第 11 回
2. AI 社員の仕組みを通し、人が承認するお客さんのメッセージなどが 1 件の仕事として登録され、AI の担当が下書きし、人が承認してから送る。仕組みを置いた PC か借りたサーバーは、電源を入れたままにするソフトは無料。中の AI は段階 1 の有料プランで動き、上限を早く使う第 12 回
3. 承認も任せる決まった型のある仕事は、種類ごとに、確認なしで AI の担当に送らせる段階 2 と同じプラン。動く回数が増える第 13 回(費用の下げ方と一緒に)
4. 使った分だけ払う契約に移るお客さんが千人、二千人といった規模で、返信を無人で回す会社だけが要る段階。返信ごとに払い、使う金額に上限を付ける。プランの規約に左右されにくくなる安い種類の AI(小さなモデル)なら、返信 1 件あたり 1 円未満(私の見積もり)第 14 回

段階 2 で費用が増えるのは、AI 社員の仕組みでの 1 回の実行が、直接頼むよりはるかに多くの文章を読むからです。私の Paperclip の構成では、直近 185 回のうち、ふつうの 1 回は約 46 万トークン(AI が読む文章の単位)を読んでいました(半分はこれより多く、半分は少ない)。これはブログ記事やメールなどの社内の仕事の数字です。お客さんのメッセージ 1 件に直接返すなら、私の見積もりでは数千トークンで済みます。AI 社員の仕組みを通すと、お客さんのメッセージ 1 件でも、仕組みが毎回読む指示や記録の分が上乗せされます。1 件でどれだけになるかはまだ測っていないので、連載の第 13 回で測ります。

有料のプランなら、請求額は同じままですが、プランの上限にずっと早く当たります。止めずに動かし続けるには、上のプランに上げるか、使った分だけ払う契約に移ることになり、そこで費用が増えます。連載の第 2 回で取り上げた公開の投稿(carlginmunsayac さんの Facebook 投稿)では、Paperclip で 4 つの担当を動かしたら、ひと晩で利用上限をほぼ使い切ったと書かれていました。

Paperclip の予算の機能でも、これは止まりません。前回の記事で書いたとおり、有料のプランで動いた分は費用 0 として記録されるので、予算の上限が効かないからです。私が測った数字と下げ方は、連載の第 13 回で書きます。

1 つ注意があります。有料のプランでお客さんに返信させることは、規約のグレーなところにあります。Anthropic の法律関係のページは、プランの上限は「ordinary, individual usage(通常の、個人としての利用)」を前提にしていて、Claude の上に製品やサービスを作る開発者は、使った分だけ払う開発者向けの契約(API)を使うべきだと書いています。自分のお店のために自分で動かすソフトがこれに当たるかは、書かれていません。小さな会社が、すでに持っているプランで始めるのは無理のないことだと私は思います。ただ、規約が変わって仕事が止まらないように、使った分だけ払う契約も作って、月の上限額を設定しておくと安心です。用意するだけなら費用はかかりません。いつ移るかは連載の第 14 回(規約が変わっても止まらないように、月額のプランから使った分だけ払う契約へ)で書きます。

3 つの組み合わせと月額

「最低限」は、AI の部分を無料版の AI に頼む前提です。円とドルの価格は別々に書き、足し合わせていません。

  • 個人事業主(ブログ、SNS、朝のブリーフィング、記帳): 最低限は会計ソフトだけです(freee スターター月 980 円、マネーフォワード クラウド確定申告 パーソナルミニ月 900 円から。どちらも年払い・税別)。有料を 1 つ足すなら Claude Pro 月 $20 で、朝のブリーフィングが毎朝届き、ブログと記帳の下書きを頼める回数も増えます。SNS の予約は Meta Business Suite(無料)で足ります。
  • 小さなお店(お客さんの窓口、Instagram の投稿と数字、記帳): 最低限は会計ソフトだけで、窓口は LINE 公式アカウントの無料のプランの自動応答から始めます。AI が下書きし、自分が承認する形にするなら、AI 社員の仕組み(無料)と Claude Pro($20)のような有料のプランを 1 つ、それと電源を入れたままの PC(または借りたサーバー)が要ります。
  • 会社員(メール、議事録、調査、文章): 最低限は 0 円です(会議アプリは会社が払っていて、AI は無料版を使う前提)。1 つで済ませるなら、Google AI Pro 月 2,900 円で、Gmail の中の AI、Meet の会議のメモ、調べものがまとめてまかなえます(個人の Google アカウントの場合に限ります)。仕事のメールを個人の AI のアカウントに入れる前に、勤め先の決まりを確認してください。会社に法人向けの AI のプラン(Google Workspace、Microsoft 365、ChatGPT Business)があるなら、そちらを使ってください。法人向けのプランは、初期設定ではデータを学習に使いません。

1 つの AI のプランでまかなえるのは、書く・要約する・調べる部分です。会計ソフト、会議アプリ、チャットアプリの有料のオプションは、別の請求になります。

セキュリティ: 仕事のデータを AI に渡す前の 5 つの設定

個人向けの AI のプランには、自分で切らない限り、会話を学習に使う(会社が次の AI を作る材料として、会話の中身を使う)ものがあります。お客さんのデータを AI に見せる前に、次の 5 つをやっておいてください。

  1. 「データを学習に使う」設定を切る。
    • ChatGPT: 設定 → データコントロール → 「すべての人のためにモデルを改善する」→ オフ(OpenAI)。OpenAI は、個人向けの ChatGPT では、自分で切らない限り会話を学習に使うと書いています(OpenAI)。つないだアプリから読んだ内容も、この設定がオンなら学習に使うことがあります(OpenAI)。Gmail やカレンダーなど Google のアプリから直接読んだ内容は使わない、と別に書いています(OpenAI)。どのアプリが当たるかを覚えるより、先にここを切るほうが簡単です。
    • Claude: 設定 → プライバシー → モデルの改善に協力する設定(英語の画面では「Help Improve our AI models」)→ オフ。登録のときに自分で選んでいるので、何を選んだかを確認してください(Anthropic)。
    • Gemini: gemini.google.com → 設定とヘルプ → アクティビティ → オフにする。18 歳以上の利用者では、アクティビティの保存は初期設定でオンです(Google)。これをオフにすると、Gmail や Google Workspace との接続と、メールが届いたら動くタスクも使えなくなります。つまり個人の Google アカウントでは、会話を学習に使わせないことと、Gmail をつなぐことを、同時にはできません。お客さんのデータが入ったメールには、Google Workspace の法人アカウントを使うか、Gmail をつながずに、名前などを消した文を貼り付けてください。
  2. お客さんの名前、電話番号、送り先の所在地は、貼り付ける前に置き換える。 「A 様」「090-XXXX-XXXX」のように書きます。Google は、Gemini の会話を人の審査担当が読むことがあり、アクティビティをオフにしていても会話は 72 時間保存されると説明しています。
  3. その場限りの質問には、一時的なチャットを使う。 ChatGPT の一時的なチャットは、学習に使われません(安全のために最長 30 日保存されます)。保存すると普通のチャットになり、手順 1 の設定に従います。Claude と Gemini にも、学習に使わない同じ種類のチャットがあります。
  4. 仕事のデータが入ったチャットでは、高評価・低評価のボタンを押さない。 Claude は、評価を送った会話のデータを 5 年間保存します。Gemini は、アクティビティをオフにしていても評価を集めます。
  5. 会計アプリやチャットアプリを AI につなぐときは、必要な権限だけを渡す。 Anthropic は、つなぐ時に求められた権限を見て、狭められるなら狭め、要らなそうなら断るよう勧めています。マネーフォワードも、AI との接続の公式のページで、必要な権限だけを渡すことと、データを学習に使わせない設定で AI を使うこと(手順 1)を勧めています。

連載の続きと、取り上げてほしい仕事

連載の次の回(第 5 回・AI の契約はどれをいくつ)では、何をいくつ契約すればよいかを、やりたいことから引ける表にします。実際の手順は第 6 回からで、ChatGPT、Claude、Gemini の順に、サービスごとに 1〜2 つの仕事を任せていきます(上の表の「詳しく書く回」のとおりです)。

この記事の 10 の仕事のほかに、取り上げてほしい仕事があればコメントで教えてください。使い方の記事を追加します。


ここから先は、本編の補足です。必要な方だけ読んでください。

補足 A. AI そのものを家や社内に置きたい場合

ここまでの話は、AI がクラウドで動く前提でした。データを外に出したくない、または使った分の費用を抑えたい場合は、AI のモデルそのもの(ローカル LLM)を手元の機械で動かす方法もあります。必須ではありません。

  • 手持ちの Mac で動きます。 Ollama と LM Studio は無料で、Apple シリコン(M1 以降)と macOS 14 以降があれば使えます。LM Studio の推奨はメモリ 16GB 以上で、8GB の Mac でも「小さなモデルと短めの文脈なら使える」と書いています。
  • どこまで大きなモデルが動くかは、主にメモリの量で決まります。 Ollama は 2026 年 2 月まで「7B(モデルの大きさを表す数字)は 8GB、13B は 16GB、33B は 32GB」という目安を載せていました(今は外しています)。今の既定のファイルの大きさは、Llama 3.2 3B が 2.0GB、Qwen3 8B が 5.2GB、Gemma 3 12B が 8.2GB、Gemma 3 27B が 17GB です。
  • 速さ。 llama.cpp(ローカル LLM を動かす無料のソフト)の開発者が集めた利用者の計測では、7B のモデルで、M1 で毎秒約 14 トークン、M2・M3 で約 21 トークンでした(補助の出典です)。まず手持ちの Mac で試し、遅いと感じたら買うかを考える、で足ります。
  • 小さなモデルの弱点。 小さなモデルは要約・言い換え・指示どおりの作業に向きます。ただし OpenClaw(自分の機械で動かし続ける AI エージェント)の公式の説明は、小さなモデルや強く圧縮したモデルは「AI をだます指示(プロンプトインジェクション)に弱い」とし、ほかのアプリを操作させるなら大きなモデルを勧めています。知らない人から来た文章を読ませてアプリを操作させる仕事(お客さんの窓口など)は、手元で大きなモデルを動かせないなら、クラウドの大きな AI に任せるほうが安全です。
  • 買い足すなら。 Mac mini は 149,800 円から、Mac Studio は 419,800 円から、NVIDIA の DGX Spark 64GB は $4,999 からで、2026 年 10 月 23 日に発売されます。DGX Spark は、NVIDIA 自身が「開発者・研究者・AI 好き」向けとしています。新しく買うのは、大きなモデルを動かしたい時か、手持ちの機械では遅い時で十分です。
  • 名前に cloud が付くモデルに注意。 Ollama で名前に cloud が付くモデル(gemma4:cloud など)は、Ollama のクラウドで動きます。データを外に出したくないなら、Ollama の設定でクラウドを切れます(OLLAMA_NO_CLOUD=1)。

補足 B. PC を閉じても動かす機械は、買うか借りるか

AI 社員の仕組みを PC を閉じている間も動かしたくなったら、昼も夜も電源の入った機械が要ります。ここで比べるのは、常に動かす機械に Mac mini を買う場合と、小さなサーバーを月額で借りる場合の、3 年間の総額です。AI はクラウドで動く前提で、補足 A のローカル LLM の費用の比較ではありません。

常に動かす機械に置くのは、仕事をクラウドの AI に送るソフトだけなので、小さなサーバーで足りることが多いはずです。たとえば OpenClaw の公式のよくある質問(FAQ)では、メモリは最低 1GB、推奨は 2GB 以上とされています。Paperclip と、その中で動く Claude Code に要るメモリは確かめていないので、足りなければ下のメモリ 8GB の場合で考えてください。

この節の円の値段はすべて税込です。Mac mini(M6、メモリ 16GB、ストレージ 256GB)は 149,800 円(Apple)で、何もしていないときは 4 ワット、最大で 70 ワットです(Apple)。何もしていないときの電気代は月 89 円ほどです(4 ワット ÷ 1,000 × 720 時間 × 31 円 ≒ 89 円。31 円は全国家庭電気製品公正取引協議会の目安の単価です。出典)。

円建ての 2 つのグラフ。上は 3 年間の合計で、Mac mini は何もしていない 4 ワットなら 153,014 円、70 ワットでずっと動かすと 206,046 円。借りる 2GB のサーバーは、さくら 70,488 円、Xserver 45,540 円、ConoHa 24,372 円。下は月ごとの累計で、Mac mini の線は 149,800 円から始まり、さくらの 2GB に追いつくのは約 80 か月(約 6.7 年)後。月 3,850 円のメモリ 8GB のサーバーと比べると、約 40 か月(約 3.3 年)で追いつく。 常に動かす機械の 3 年間の合計。Mac mini を買う場合と、日本で借りられる 3 つの 2GB のサーバーを比べたもの(2026 年 10 月 16 日時点の価格)。下の図は、Mac mini の元が取れる時期です。

借りるサーバーは、ConoHa の 2GB が月 677 円(36 か月のキャンペーン価格で 10 月 29 日まで、前払い、更新後は月 903 円)、Xserver の 2GB が月 1,265 円(36 か月のプラン)、さくらの 2GB(東京)が月 1,958 円です。3 年間の合計は、それぞれ 24,372 円、45,540 円、70,488 円です。Mac mini の合計は、何もしていない 4 ワットのままなら 153,014 円、最大の 70 ワットでずっと動かすと 206,046 円です。

元が取れるまでの月数 = Mac mini の値段 ÷(サーバーの月額 − Mac mini の月の電気代)です。3 つのうちいちばん高いサーバーと比べても、149,800 円 ÷(1,958 円 − 89 円)≒ 80 か月、約 6.7 年です。動かすソフトがメモリ 8GB を要する場合は、メモリ 8GB のサーバー(Xserver、36 か月のプランで月 3,850 円)と比べることになり、元が取れるまでは約 3.3 年に縮みます。この計算には、AI が作業している間の電気代、売るときの値段、機械の面倒を見る自分の時間、家のインターネット回線は入れていません。

借りたサーバーでは Mac の代わりにならない場合もあります。OpenClaw の公式の説明は、iMessage や macOS のアプリを使わせたい場合、家のインターネット回線から接続していることが要る場合(データセンターからのアクセスを断るサイトがあります)、ログインしたままの、画面の見えるブラウザが要る場合を挙げています。この時は Mac mini を選ぶ意味があります。

比べるために、私の会社の構成も書いておきます。AI のプランは ChatGPT Pro、Claude Max 20x(Claude の個人向けの上位のプランのうち、月 $200 の段階)、Google AI Pro に払っています。常に動かす機械は、社内に置いた 2 台の CPU サーバー(AI 用のチップを積んでいない普通のコンピューター)です。AI のモデルそのものは、専用の機械(DGX)1 台で動かしています。Mac mini も持っていますが、AI には使っていません。

補足 C. 断定しないでおく点

  • ChatGPT の無料版の定期タスクが、実際にどう動くか。 OpenAI のヘルプ(2026 年 10 月 18 日更新)は、無料版でも、1 日 1 回まで・おおまかな時間帯に動くタスクを 3 つまで作れるとしていますが、私はまだ無料版のアカウントで試していません。また、決まった時刻のタスクが PC を閉じていても動くと、OpenAI ははっきりとは書いていません。PC を開いておく必要があるのは手元のファイルを使うタスクだけ、と書いているだけです。連載の第 6 回で確かめます。
  • ChatGPT の無料版で Gmail をつなげるか。 OpenAI は、無料版と Go で Gmail をつなげるかを公式に書いていません。メールを送るのは Plus 以上です。この記事でメールの 0 円の道を Claude にしたのは、このためです。
  • Zoom の無料プランで会議の要約が使えるか。 Zoom の料金のページでは、無料プランに「会議の要約(主催する会議の月 3 回まで)」と載っています。ヘルプのページでは Pro 以上しか挙げていません。連載の第 8 回で確かめます。
  • Gemini の予約の機能(Schedules)が日本のアカウントで使えるか。 公式のページでは確かめられませんでした。

トップ 15 のもとになったデータについて:

  • 「使っている」は書き手の自己申告です。それぞれの仕組みが実際に動いているかは確かめていません。
  • 日本語の投稿は「AI 社員」「AI 秘書」の話から集めたもので、note が多くあります。英語の投稿は多くが Reddit から集めたもので、Reddit の分の約 85% は、AI のアプリやサービスを話題にするコミュニティのものです。開発者も多くいます。どちらも、世の中全体の使われ方とは違うかもしれません。
  • 仕事の振り分けは、AI(Claude)が 1 件ずつ行い、別の AI が反証の立場で見直しました。無作為に選んだ 40 件を、さらに別の AI が調べ直したところ、はっきりした誤りは英語・日本語とも 40 件中 0 件でした(どちらとも言えるものは、英語 7 件・日本語 12 件)。
  • アプリの名前を並べただけのものや、ほかの人の話など、本人が任せていると言えないもの(日本語 561 件・英語 27 件)は、数えていません。

このシリーズでは、個人事業主や小さな会社が、普段の仕事を AI の担当(AI 社員)に分けて任せ、人は確認と承認だけをする形を、順に作っていきます。始めはサブスクの範囲で、費用を式で見積もりながら進めます。Paperclip のように担当と承認で AI を束ねると費用は大きくなりますが、AI を直接使う値段に近づける方法も示します。シリーズの最後には、私が使っている Paperclip の設定・指示書・おすすめの形を無料で配布する予定です。 興味のある方は、ぜひ「いいね」と記事の購読をお願いいたします。

自社プロダクトは https://www.eln.ne.jp/products にまとめています。

筆者について

上原正吉。EarthLink Network Co., Ltd. でAI開発をしています。2025年からClaude Codeを開発の主体に据え、今は20を超えるプロダクトを1人で同時に開発・運用しています。この連載では、その現場で実際に起きたこと(うまくいったことも、失敗も)を、数字と一緒に書いていきます。

また、AIで業務や開発を組み替えたい会社・チーム向けに、AI活用のコンサルティングも受け付けています。ご相談は www.eln.ne.jp からどうぞ。


EarthLink Network は、会社の全業務を AI で回すために、必要になったものを自社で作っています。いま作っているプロダクトの一覧と概要は、こちらにまとめています。

→ EarthLink Network が自社でつくっている18のプロダクト

会社と各プロダクトの詳細は、公式サイト www.eln.ne.jp をご覧ください。

AI に任されている仕事トップ 15 ── 手持ちの PC かスマートフォンで、無料から始められる